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2002.11.2作成

ニュースダイジェスト「コエンザイムQ10にはパーキンソン病の症状を緩和する効果がない」を参照してください

[1039] 補酵素Q10の効果

アメリカのVitaline社が、
「 自社の製品である補酵素Q10(CoQ10:CoenzymeQ-10)がパーキンソン病の進行を遅らせることができる」
という研究結果を、10月15日に、Archives of Neurology誌に発表した。
研究の骨子とNational Parkinson Foundationによるコメントの概略を紹介する。

●Vitaline社の研究●
PD初期患者への補酵素Q10の効果:機能低下の速度を遅らせる

PDは原因不明の変性疾患だ。
補酵素Q10をどのくらいの量服用すれば安全でかつPDの進行を遅らせることができるのか検証した。

初期のPD患者で治療を開始していない者80人を、プラセボ(偽薬)、300mg/日、600mg/日、1200mg/日に割り振った。
参加した患者は選択された時点、治験開始時点、1ヵ月後、4ヵ月後、8ヵ月後、12ヵ月後、16ヵ月後に「Unified Parkinson Disease Rating Scale:UPDRS」による病状の評価が行われた。
評価は16ヵ月後またはレボドパによる治療が開始されるまで続けられた。

治験開始時点から最後の評価時点までのスコアの変化は次のとおり。
           (数値が大きいほど重症である事を示す)
    プラセボのグループは、+11.99
    300mg/日のグループは、+8.81
    600mg/日のグループは、+10.82
    1200mg/日のグループは、+6.69

これは、補酵素Q10が効果があることを示している。
1200mg/日まで、安全で、体内で有効に働いた。
プラセボのグループに比べて、補酵素Q10を摂取したグループは症状の悪化率が低く、最も大量に摂取したグループが一番効果が大きかった。

補酵素Q10はPDの進行を遅らせるように見える。
しかしこの結果については、もっと大規模な研究によって確認される必要がある。

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National Parkinson Foundation によるコメント

原文をお読みになりたい方は  http://www:parkinson.org/newscoq10.htm  へ

1. 補酵素Q10とは何か?

補酵素Q10は自然の栄養素で、細胞にエネルギーを運ぶアデノシン3リン酸(ATP)の生成に不可欠だ。
人体内部で補酵素Q10が作られ、食物からも摂取するがそれだけでは不十分かも知れない。
補酵素Q10のレベルはストレスがあるとき、病気のとき、そして加齢によって低下する。
ある種の薬物によっても補酵素Q10のレベルが低下する。
補酵素Q10は栄養補助食品として薬局や健康食品店で販売されているがすべての補酵素Q10が同質ではない。
「TRANS」形態と「CIS」形態があり、研究で使われたのは前者だ。
「CIS」形態のほうは安価だが不純で吸収されにくい。

2. 補酵素Q10は心臓病のための補助食品ではないのか?

心臓は大量のエネルギーを賄うため多くのATPを必要とする。
研究によれば心臓病の患者が補酵素Q10を摂取すると症状が改善する。
補酵素Q10は、また、強力な抗酸化作用があり、フリーラジカルによるダメージから心臓の組織を守る。

3.補酵素Q10はどのように脳内で働くか?

補酵素Q10は、脳内でもほかと同様に働く。
ほとんどすべての細胞はミトコンドリアという微小な構造を有している。ミトコンドリアは細胞のエネルギーを作り出す。
脳は継続的に活動を規制し統合し調和させるために絶え間なくエネルギーを必要とする。
この必要をまかなうために脳細胞のミトコンドリア内でのATPの生成が不可欠だ。
心臓にはミトコンドリアが沢山あり補酵素Q10が心臓のATP生成に有効であることから脳にも有効なのではないかと調べてみたところまさにその通りだった。

4.なぜ>補酵素Q10がPDに有効でありうるのか?

PDの発症原因は不明だが、研究によって、PD患者の血液内およびミトコンドリア内では補酵素Q10のレベルが低いことが知られている。
したがって、補酵素Q10を補充することによってPDによって起こるダメージから細胞を守ることができるかもしれない。

5.この研究は何を意味するか?

補酵素Q10を摂取したグループはいずれも機能低下の度合いは低かったが、最も効果が大きかったのは1200mg/日摂取した人たちだった。
このグループは自力で食事をし衣服を着、話し、歩き、入浴し、シャワーを浴びることができた。
より長期にわたって自立していたのだ。補酵素Q10は、PDの進行を遅らせるように見える。

6.どのブランドの製品を買うか?

補酵素Q10にはさまざまなブランドのものがある。そして品質にはばらつきがある。
考慮すべき要素はつぎのとおり。
・ 評判の高い製造者の製品か?
・ そのブランドの製品が研究の対象となったか?
・ 自然発酵によって生成されたかそれとも化学合成によって作られたか?

7.補酵素Q10は食品から摂取できないか?

補酵素Q10を含む食品はあるが、食餌だけで十分な補酵素Q10をとるのは不可能だ。
一日に1200mgの補酵素Q10を取るためには100ポンド(45,400g)のピーナッツを食べる計算になる。
血流脳関門を通過して脳のミトコンドリアに入り込むためには十分な量の摂取が必要だ。

8.血流脳関門とは何か?

血流脳関門によって脳内に入り込むものと入り込めないものとが分けられる。
血流脳関門は脳を有毒物から守っているが、脳の疾患の治療の妨げにもなる。
脂肪に溶ける物質だけが血流脳関門を通過できる。
補酵素Q10は脂肪に溶けるが、すべてのブランドの製品が同様に溶けるわけではない。

9.補酵素Q10の十分摂取量は?

それについてはまだわからない。
しかし、研究によれば1200mg/日の摂取により、PDの進行が遅くなるとしている。
現在まで、毒性の報告はない。
胃の不快感が時折生じるが、食事と一緒に補酵素Q10を摂取することにより軽快することが多い。

原稿担当●ハトポッポ

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