2002.06.27作成
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[1036] すくみ現象

 パーキンソン病が進行すると、すくみ現象があらわれてくることがあります。

 L-ドーパによる治療期間が長いほど、すくみ現象の発現頻度が高いようです。

 すくみ現象は、すくみ足として良く知られていますが、その他にも上肢のすくみ、言葉のすくみなどがあります。

 すくみの発症機序(どのようなメカニズムで起こるのか)は、まだ明らかではありません。

 長期療養患者のQOLを低下させる大きな要因の一つとなります。

★すくみ足

 すくみ足は、あたかも足が地面に貼り付いたようになって足が出ない状態です。そのために転んだりすることがあります。

 歩行のいろいろな状況で、すくみ足がおこります。
1.歩行開始時に生じる
2.方向転換時に生じる
3.目的地間近で生じる
4.障害物を目にした時に生じる
5.誘因なく突然生じる

 すくみ足は抗パーキンソン薬による効果が充分でないときだけでなく、薬が過剰の時にも出現します。
 オフの時にもオンの時にも出現します。オンのときの「すくみ」とオフのときの「すくみ」はようすが多少違うようです。

 L-ドーパの効果がではじめる時に出現することもあります。

対処法

歩行開始時

足元の目印となるものを跨ぐようにする
音による刺激(メトロノーム、音楽など)を与える
周囲の人または患者本人がリズムを取って歩き出すようにする
歩きだす時に一歩足を引く、又は片足を高く上げる
姿勢を正し、ゆっくり深呼吸をしてから歩き出すようにする
急に一歩を出さず、前もって足を出すことを意識するように心がける
気持ちの焦りをなくする

歩行中

踵から足をつけるようにする。
腕を大きく振って歩幅を大きく取るように歩くように心がける。
同時に他の動作を行わない。歩くことに集中する。

方向転換時

直角に曲がろうとせず、できるだけ大回りをするようにする。
身体をねじるようにせず、歩きながら方向を変えるようにする。
上半身だけで向きを変えるような姿勢はとらない。
すくみが生じたら、あわてず、立ち止まり、呼吸を整えて、姿勢を正してゆっくり歩きはじめるようにする。

上のことがらを練習して習慣化するようにし、自分なりの歩き方の「こつ」を掴むようにする。


 周囲の人の目を気にしたり、緊張したりしたときに余計にすくむようです。できるだけ平静な気持ちで、焦らずマイペースで歩くようにしましょう。

★上肢のすくみ現象とは

 字を書いているときや歯ブラシを使っているときに動きが止まってしまう。

 字は小さくなり、気ぜわしく書くため判読困難な文字になる。

 食事の時の箸使いも気ぜわしい感じになる。

★言語のすくみ現象とは

 

言葉の出だしがうまく出なくなる 

 出だしの音節を繰り返す

 しゃべるリズムが次第に早くなる

 早口言葉のように極端な早口になる

★すくみ足の薬物治療

  L-ドーパドーパミンアゴニストの量を加減してみる。(抗パーキンソン剤の量が多すぎたり少なかったりということがすくみ足の原因になっていることがある)

 ドプスが比較的有効であるが改善率はあまり高くない。

 シンメトレルが有効という報告もある。

●参考●:「パーキンソン病治療ハンドブック」近藤智善ほか、医学書院
●関連記事●パーキンソン病における歩行困難体験によるすくみの対処法
●原稿担当●よしこ

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