2001.08.01 デザイン変更

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神経保護、神経修復薬の展望
神経保護薬として期待される薬剤
神経保護・修復薬として期待される薬剤
細胞移植による神経保護療法の展望
神経保護療法(神経の変性を遅らせる治療法)や、失われたドーパミン系の機能を回復する治療法(神経神経修復療法)の出現が望まれています。

パーキンソン病の症状改善のために一番よく使われているのはL-DOPAですが、L-DOPAの使用によりドパミン神経細胞の変性がさらに進行するのではないかと考えられています。
したがって、神経保護療法の第一歩はL-DOPAの投与量を減らすこと(あまり増やさないこと)であるということができます。
 A.神経保護薬として期待される薬剤

1. フリーラジカル関連薬剤

パーキンソン病患者の脳はフリーラジカル(酸化ストレス)が発生しやすく、かつ消去されにくいといわれます。
L-DOPA投与によってドパミン代謝が亢進さ>れるとフリーラジカルの産生が増えることになります。
したがってドパミン代謝の抑制がフリーラジカルの発生抑制につながると考えられます。

ドパミンアゴニスト ブロモクリプチン、ペルゴリド、ロピニロール、カベルゴリン

MAO−B阻害薬  セレギリン、ラザベミド

抗酸化薬      尿酸、ベータカロチン、アスコルビン酸など

抗酸化酵素     グルタチオン、SOD など

2. 興奮性アミノ酸関連薬剤

興奮性アミノ酸によっても神経が傷害されると考えられています。

興奮性アミノ酸受容体阻害薬 今後の開発に期待

カルシウム拮抗薬 新しい治療薬となるか?

アマンタジン グルタミン酸受容体拮抗作用があるといわれています。

3.ニコチン性受容体アゴニスト

興奮性アミノ酸による細胞死を阻止する働きがあります。
 B.神経保護・修復薬として期待される薬剤

1. 神経栄養因子

栄養因子の低下が神経変性に関係している可能性があると考えられます。
しかし、栄養因子そのものは血液脳関門を通過できないので直ちに治療に応用することは困難です。
栄養因子を増加させる薬剤の開発が期待されます。

glial cell-line derived neurotrophic factor (GDNF) グリア細胞由来の神経栄養因子

brain derived neurotrophic factor (BDNF) 脳由来の神経栄養因子

2. イムノフィリン・リガンド

a.免疫抑制剤 シクロスポリンA,タクロリムス、ラパマイシン

b.非免疫抑制性イムノフィリン・リガンド 最近、注目をあびている薬剤です。
GPI−1046,L−685,WAY−124,446,6−MeAla−CsA

c.グルタチオン亢進薬

 ドパミンアゴニスト ロピニロール、カベルゴリン

 MAO−阻害薬  セレギリン

C.細胞移植による神経保護療法の展望

胎児黒質細胞移植

患者副腎細胞自家移植

頸部交感神経節自家移植

異種間移植
外国の一部の病院では豚の黒質細胞の移植が行われています。
豚の黒質のニューロンはひとのドパミンニューロンとほとんど同じだからだそうです。
ただしこの治療を受けた患者さんは極少数です。

幹細胞移植

将来期待される神経保護・神経修復療法
1.イムノフィリン・リガンド
2. グルタチオン亢進薬
3. 神経栄養因子GDNF
4. 幹細胞移植
現時点での実行可能な神経保護療法
1. L-DOPAの減量
2. ドーパミンアゴニストセレギリンの投与
参考文献●  小川紀雄:神経保護薬と神経修復薬.神経内科、52:571−579、2000.
原稿担当●よしこ

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