2001.08.01 デザイン変更

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パーキンソン病と自律神経障害
http://www.parkinson.org/autonomic.htm
カリフォルニア大学 神経学教授、 Michael J. Aminoff. M.D.による
 パーキンソン病の症状には震え、筋固縮、動作緩慢、歩行困難といった運動神経症 状だけでなく、自律神経障害からくるさまざまな症状があります。
 P病患者の自律神経障害による症状として、起立性低血圧、発汗異常、涙腺・唾 液分泌異常、便秘・頻尿、等が報告されています。
 これらの症状が出たら、早く気づき、それぞれの症状に対応する治療が必要です。
 これらの症状が出ても本来のP病ではなく、パーキンソニズム(クリックすると解説にJUMPします)の可能性もあります。

★起立性低血圧

 多くのP病の患者が血圧異常、そして、立ち眩みを訴えます。健康な人でも70才を過 ぎると20%の人に起立性低血圧がみられます。.  睡眠薬、ある種の抗うつ病薬、血圧降下剤、ドーパミン作用性の薬(L-ドーパ剤、 あるいはドーパミンアゴニト)は起立性低血圧を起こす可能性があり、失神、意識低 下、決断力の低下、不安感、めまい、集中力低下、頭痛、立った時の吐き気(nausea on standing)といった症状を起こします。
 これらの症状はパーキンソン病のために起る場合もありますが、一般的には抗パー キンソン薬によって起るものです。
 弾性のタイツをはいたり、夜寝るとき枕を重ねて頭を高く(頭の部分を10−13cm高くする)したり、増塩食にしたり、薬物療法を施すなどの処置があります。一回の食事を少な目にし、回数を多くする方が良く、カフェインの入った飲み物(紅茶、コー ヒー)も効果があるでしょう。
【参考】■起立性低血圧

◆発汗異常

 パ-キンソン病の患者は正常体温を維持するのが困難になる場合があります。体温 調整困難は発汗異常としてあらわれます。
 多汗症やフラッシング(cutaneous vasidilatation皮膚の血管拡張)は急激に体温 を低下させ、低体温症を引き起こします。

▲排尿障害

 80-90%の患者に排尿障害が起こっています。特に抗コリン剤を服用していると頻尿 になったり、排尿困難になったりします。症状や検査の結果を見て適切な薬物療法を おこなうことができます。また尿道カテテールを用いて排尿するといった方法もあり ます。

●便秘

 水分を多目に摂ったり、繊維質の多い食事をしたり、薬草(おおばこ)を飲んだり するとよくなる事もあります。緩下剤(マグネシア乳)や下剤もいいかもわかりませ ん。ひどいときには浣腸が必要な場合もあります。

▼嚥下障害  

 嚥下障害には特に治療法はありませんが食事で必要なカロリーの摂取ができるよう に注意する必要があります。汁物にはとろみをつけると食べやすくなります。

■唾液分泌異常

 初期には抗コリン薬、L-ドーパによく反応するが、高度な場合には口からあふれ出てくるように見えることがあり患者本人にとっても不愉快なものです。パーキンソン病患者の7割近くに認められます。舌、咽頭部、口唇の運動障害、嚥下障害が原因と考えられます。


(註1)パーキンソニズム
 パーキンソン病は、振戦、固縮、無動姿勢反射障害などの特徴的な運動障害を呈する変性疾患である。これらの症状は必ずしもパーキンソン病に特異的なものではない。
 これらのパーキンソン病の症状の一部が認められる場合、症候学的にはパーキンソニズムとして総括されている。パーキンソニズムを呈する疾患は脳血管障害、代謝性疾患、腫瘍、変性疾患など多岐に及ぶので鑑別診断に際しては慎重な注意が必要である。

●参考文献 「日本医師会雑誌」別刷 “パーキンソン病”より
●原稿担当●Sophia

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